飛鳥時代といえば『倭(わ)』の国号が『日本』に変更され、律令国家として政治体制が激変した幕末みたいな熱い時代！

そんな時代に東北の寒い地域の人々は何をしていたのでしょうか。寒いから自宅である竪穴式住居でPC使ってYouTube見てたんでしょうか。いいえ、そんなことはありません。

今回は、そんな歴史的にちょっぴり蚊帳の外である東北地方を見ていこうと思います。おっと！誰かでしゃばって来ましたよ！

キミの出番は後からだ！鼻デカすぎだろ！

果たして”彼”の正体とは・・・

この記事は『楽しい歴史』が執筆しています。

飛鳥時代の日本と東北の関係

646年・・・この頃の日本は、あくまで各地方の豪族の連合体であり、そのため結束力が弱く合議制で国の方針を決めていました。君主1人が「コレやるぞ！」と決める感じではなく、みんなで相談して決めましょうね。という体制です。

ですがこれだと、裏切り者が出てくるかもしれないし国として不安定です。そんな状況に 「このままじゃ今後の時代に対応できへん！」 と中大兄皇子 (なかのおおえのおうじ) という人が改革をグングン進めていきます。

豪族の土地を国の直接支配にしたり、課税制度が制定されたりと、着々と中央集権国家への変化が進んでいきます。

日本はこれから一致団結するんだぜ！という情勢ですが、そのころの東北は日本の支配下ではなく『蝦夷(えみし)』や『粛慎(みしはせ)』という異民族が住んでいました。

 

 蝦夷と朝廷の戦い

日本としては中央集権国家を作るためにも、大陸からの防衛という観点からも、東北を完全な支配下にしなければなりません。そこで朝廷は蝦夷征伐を行います。

日本海側から進軍し、次々と 『柵』 と呼ばれる砦を作って進軍します。朝廷側は次々と勝利し、この時点でとりあえず日本海側の拠点を支配できました。これは658年のことでした。

次に朝廷はさらに支配浸透させるため、724年に 出羽の柵(でわのさく) と 多賀城(たがじょう) を築城し東北を圧迫していきます。

ここらへんから蝦夷の人々が本気でキレ始めます(#ﾟДﾟ)ｺﾞﾙｧ!!

というのも、朝廷が出羽の柵と多賀城を築城するついでに柵戸(さくこ)と呼ばれる移民たちを移住させ周辺を開発させたのですが、開発が行われた地域は蝦夷の人々が慣れ親しんだふるさと。これが反乱の契機となりました。

この反乱は長く続きませんでしたが、上級役人が討たれるなどの事件が起きてしまいます。

 

 陥落する多賀城

770年・・・さらに蝦夷を圧迫するために桃生城(もものうじょう)、伊治城(これはるじょう)という拠点が造られると蝦夷は大規模な反乱を起こします。

この反乱で多賀城が陥落し、朝廷はマジかよと言わんばかりに驚きます。

これを鎮圧するために10万の兵を東北に動員しますが、なんと鎮圧しきれず、またも朝廷はマジかよと言わんばかりに驚きます。

 

強すぎる男！アテルイ

そして789年にある男が登場します。その名は蝦夷の優秀な指導者アテルイ！

 

待ってたYO！

冒頭でフライングして登場しましたが彼は強かった！朝廷軍4000人を1500人で撃退しちゃいます。

東北は伊達政宗ぐらいしか知らないそこのアナタ！アテルイくんも記憶に加えてあげましょう。(´Д｀)

でもアテルイって？あんまり巷では聞かない名前ですよね？それには理由がありました。実はアテルイの確かな文献はとても少なく、この顔写真ですら実際の顔であるのか定かではないらしいのです。

 

802年になると朝廷軍を蹴散らした蝦夷を完全に押しつぶすために、坂上田村麻呂 (さかのうえたむらまろ) という人物が精鋭軍を引き連れて蝦夷討伐にやってきます。

この戦いの情報も少なく、アテルイは降参して都に送られ処刑されてしまったらしいのです。

すまないアテルイ君。きみの情報が少なすぎるんだ！

しかし、アテルイは現在の岩手県に実在した人物であり、鬼のモデルになったとも言われる伝説の英雄なのです。

飛鳥・奈良時代の東北は蝦夷の存亡をかけた時代だったのでした。